これまでのコラムで、私は住宅ローンの滞納を続けていると起こる事態を順番に説明しながら、その都度「まだ行動するには遅くありません」という主旨のことを書いてきました。

事実、任意売却に限って言えば、落札された後でも落札者が代金を納入するまでに、落札者の同意を得ることさえできれば（原理的には）チャンスが残されています。

しかし、一方で「早く動くことができればそれに越したことはない」というのも事実です。

それは単純にタイムリミットが迫ってくるからだけではなく、「タイムリミットが迫ってくるに連れて、選択肢が狭くなってくるから」です。

例えば、前回ご紹介したリースバックなどを行うことは、期限が迫るに連れて難しくなっていきます。

また任意売却の場合、購入者の多くはローンを手配してあなたの家を買い取ります。この時間を確保できるかどうかで、大きくあなたの家の値段は変わります。

つまり、任意売却の準備が早めにできていればできているほど、高い値段であなたの家を売却することが可能になるのです。

みすみすこれらのチャンスを逃すことはありません。

それでもついつい相談が遅れてしまうのはなぜなのか？ 理由はたくさんあると思いますが、その中の一つとして考えられるのが次のことです。

前回のコラムでご紹介したようにリースバックなどで、これまで同様にお家に住み続ける方法はあるものの、任意売却が「ご自分の家を手放す」という事実に変わりはありません。

せっかくマイホームを購入したのですから、「それは最後の手段にしたい」と考えるお気持ちはわかります。しかし、ぜひとも心に留めておいていただきたいのは「任意売却の相談をしたからと言って、必ず任意売却をしなくてはいけない」というわけではではない、ということです。

そもそもほとんどの方が、「住宅ローンの返済に困る」という状況を初めて経験されているのだと思います。それゆえ不安であり、その不安が行動力をかえって鈍らせてしまうことになりがちなのですが、逆に言えば、早めに専門家に相談しておけば、任意売却以外の選択肢も含めて、さまざまなアイデアを得ることも可能なのです。

また私ども仲介業者は成功報酬のシステムをとっており、相談の時点では無料です。
ローンの滞納もあり、ついつい出費に関して敏感な時期になっておられるかとは思いますが、少しでも心配の種を減らしていただけるよう、お手伝いさせていただきます。