「任意売却の相談に行こうかどうか」迷っている方からで最も多い質問が「初期費用がいくらなのか？」「報酬はどれくらい支払わなければいけないのか？」ということです。

通常の任意売却に関する専門業者のほとんどは、「初期費用無料」でサービスを提供しています。

元々、住宅ローンの返済に苦しんで、任意売却の相談に来られるお客さまとしては、費用の問題に関して、人一倍敏感になっていらっしゃると思います。

「初期費用は無料であっても、後で成功報酬として高額な費用を請求されるのではないか」と心配な方もいらっしゃるかと思いますが、成功報酬の金額についても一律法律で決められていますので、法外な報酬を求められることは基本的にないと考えてもらって結構です。

もし法外な費用を請求したり、売却を確約、残債を支払わなくても良いという業者には注意が必要です。

任意売却の仲介業者が得る成功報酬のシステムとはどのようなものかをご紹介します。

まずこの場合の成功というのは、無事に任意売却が成立した時のことを言います。この時、せっかく高値で売却が成立したとしても、仲介業者に払う手数料が高額であれば、元も子もありません。

この時に得られた物件の成約代金から、仲介手数料として成約価格の３％＋６万円＋消費税をいただきますが、これは宅地建物取引法という法律で決められた一律の取り分であり、残りの97％弱を債権者への返済分にあてるように定められています。

つまり、任意売却における先行した持ち出しで費用は一切ありません。

また仲介業者が債権者と交渉を重ねることで、売却代金の中から引越し費用や当面の生活費を還元してもらえることがあります。

債権者としても、この任意売却で債務者が完全に社会機構からこぼれ落ちてしまい、残りの支払い能力を失ってしまうようなことは避けたい、と考えていますので、交渉によってはそれなりの金額を引き出すことができる可能性もあります。

しかし、実際に交渉してみないとわからないことであり、絶対とは言えません。初めから引越し費用が返ってくるようなことを謳っている業者には気をつけた方が良いでしょう。

そうした詐欺まがいを含め悪徳業者がゼロだとは言えませんが、任意売却を考えていらっしゃる方で「まともな仲介業者に相談して、余計な出費がかさむ」ということは原則としてあり得ないということを覚えておいてください。

既に何度も言っておりますが、任意売却の相談は早ければ早いほど功を奏します。任意売却はスピードが重要なポイントになります。売却を済ませなければいけない時期が決まっていますので、債務者との時間をかけて交渉をする余地が必要となるからです。