どんな理由であれ、「住宅ローンの滞納により家を失い、住み慣れた我が家を出て行かなくてはならない」というのは、非常に大きな痛手となることは想像に難くありません。

また単純に我が家が「住み慣れている」という理由の他にも、お子さんの転校の問題や高齢者の親御さんを抱えた上での転居の難しさなど、それぞれのご家族によって事情があり「できれば売却した後も、その家に住み続けたい」と考えていらっしゃる方はたくさんおられると思います。

そんな方たちに知っておいていただきたいのが、任意売却で家を手放す場合であれば、売却後もその家に住み続けることができる「リースバック」という方法です。

リースバックは、二つの段階を経て行うことができます。

第一段階では、あなたの家を、親族または第三者に売却することで、その代金を債権者に支払ってもらいます。

そして第二段階として、家を買い取った親族または第三者に、あなたが家賃を支払う形でその家に住み続けるのです。

段階的には二つありますが、あなたは途中で転居をする必要はないので、継続的に家に住み続けることができるのがメリットです。

しかし、ここで「ちょっと待って。今まで住宅ローンを滞納していたのに、また新たに家賃を支払うことなど可能なの？」という疑問がわいた方もいらっしゃるかと思います。

もっともな疑問だと思いますが、これが場合によっては可能なことをこれからご説明しましょう。

例えば、不動産の高い時期に今の家を購入された方のローンは非常に重いものになっていますが、現在、家賃の相場は全体的に見れば低下しています。

つまり、購入時期によっては「現在支払っているローンの金額で自宅を維持しているよりも安い家賃で自宅を賃貸する」ということが可能な場合があるのです。

また「現在は何らかの事情で、思うに任せない生活をしているけれども、将来的には収入の安定が見込める」という方は、相手との相談次第では事前に特約の書類を交わしておくことも可能です。

これは、見込み通り順調に収入が安定し、経済的に回復することができたら、もう一度、同じ家を購入することができるという特約です。

不幸にして一時、持ち家を失ったとしても、そこを退去させられることもなく、再購入のチャンスもあるとすれば、また前に向かって進む希望もわいてくるというものです。

「リースバック」はその一例ですが、どんな状況にあっても諦めずに、前進していただきたいと思います。